資格や語学の勉強をしてきたものの、いまいち結果に結びつきません。誰か「脳の特性」を活かして、効率的に学習する方法を教えて~!!
という「悩み」を解決するのに、ピッタリな一冊をご紹介します♪
本日は『脳を活かす勉強法』(茂木健一郎)を取りあげます。
ドーパミンによる「脳を喜ばす」学習法を学び、また子供(や部下)が新しいことにチャレンジするための、親(や上司)の役割もわかります。
- 脳を知ることで「学び」が楽しくなる。
- ドーパミンで脳を強化できる。
- タイムプレッシャーで能力が高まる。
- 集中力を養い「フロー状態」を得る。
- 子どもが自主的に「挑戦」するための、親の役割がわかる。
著者の「茂木健一郎」氏は日本の脳科学者で、数々の書籍を出版し、「プロフェッショナル 仕事の流儀」などメディアでも活躍。
樺沢紫苑氏の著書の巻末に、参考図書として「茂木氏」の書籍がよくあり、中でも「ドーパミン」について書かれた本書はオススメなので、今回書評として取り上げました♪
少し古い本ですが、読みやすく、脳や学習に関してのヒントがたくさん詰まっています!!
まずはこの本の「ひとこと要約」。
自発性と難易度で脳を喜ばせ、
学びの習慣を強化。
それでは本編に行ってみよう!!
40代で約25キロのダイエットに成功!!
Amazonセラーを約10年間。
簿記2級+基本情報技術者。
読書を元に「脳の筋トレ」も奮闘中♪
この本の概要(どんな本?)
日常生活で、脳やドーパミンについて意識することは少ないですが、脳は年齢に関係なく、成長し続けるようです。
脳科学的に見れば人間は誰しも境遇や年齢、性格などにかかわりなく、飛躍的な成長を遂げたり、劇的な変化を遂げる可能性を秘めた存在であるといえるのです。
『脳を活かす勉強法』-PHP研究所-茂木健一郎
学習において、脳の特性を知り、「脳を喜ばせる習慣」を手に入れることが本書の目的!!
僕もみなさんと一緒に、脳の特性を学び、仕事や勉強に活かしていきたいです!!
また本書では、学習の本質がわかるだけでなく、子供が新しいことにチャレンジする時の、親の役割もわかるので、子を持つ親御さんの助けにもなります♪(後半に「こどもの学習」としてまとめました!!)
「脳の特性」を知ろう!!
まずは前提条件として、学習における「脳の特性」を学んでいきます!!
「ドーパミン」とは?
ドーパミンとは「幸福物質」とも呼ばれ、料理やゲーム等、何らかの課題が達成された時に分泌され、「快感」を生み出す脳内物質です。
そして脳はドーパミンの快感を再現しようと、シナプス(神経回路)を生成し、ドーパミンの出る行動を繰り返すことで、さらに強固なシナプスが生成されます。
「脳が喜ぶ」行動をすると、脳汁がドバドバ出て、記憶力や集中力も高まります!!
「学習」とは?
「脳が喜ぶ」行動を取り、「ドーパミンの分泌→シナプスの生成→行動の熟練」という一連のサイクルを本書では「強化学習」と呼びます。
「脳が喜ぶ」行動を繰り返す→「強化学習」
シナプスの生成により、脳の神経細胞のつながりが変化した事象は全て「学習」と言えます。
学校の勉強だけでなく、料理やゲームにダンス、日々の生活の全てが脳にとっては「学習」。
大げさに言うと、
学習=「新たな自分になること」
です。いま苦手なことも「ドーパミンによる強化学習のサイクルが回ってないだけ」とも言えます。
数学や車の運転が苦手なのは、そういうことだったのね♪
「脳を喜ばせる」方法、「楽しいと思える」方法を知ることが「学習を成功させる鍵」と言えます。
「自発性」と「難易度」が鍵
子供の頃、ゲームで夢中で遊んでいると、おかんに「そろそろ宿題でもやりなさい!!」と怒鳴られ、「今やる所だったのに!!」と反論しながら、嫌々机に向かったってことはないですか?
「ドラクエ」や「FF」やってたころの、懐かしい光景が蘇る・・・
残念ながら、このような「強制」された学習では、ドーパミンは出ません。
「強制」はNG行為
一方「自発的」に行動したことによって、目標達成したり、人から褒められるなどの「成功体験」を得ると、脳は喜び、「強化学習」のサイクルが回り始めます。
「自発的」な成功体験でドーパミン
またドーパミンは簡単な課題をクリアしても放出されず、逆に難しすぎると「成功体験」そのものが得られません。
ゲームに例えると、いわゆる「クソゲー」ですね。
クリアできるかできないか、ギリギリの難易度をクリアできたときが一番喜びも大きく、またドーパミンも大量に分泌されます。
「難易度」の調節が大切
つまり自発的な行動によって、適切な難易度の課題をクリアした時に、脳は喜びます。
「脳が喜ぶ」3つの極意
前章で「脳の特性」が知れたので、今度は「脳が喜ぶ」行動を学んでいきましょう!!
#1「ドーパミン」と強化学習
まずは前章のおさらいも兼ねて、「極意その1」で「ドーパミンと強化学習」を見ていきます。
脳を喜ばせる鍵は、次の2つでした。
- 自発性
- 難易度の調整
誰にも強制されず、自発的な行動によって、まずは「最初のきっかけ」をつかむことが大切でした。
人間の原動力は、ポジティブから生まれる
きっかけさえ掴めば、ドーパミンによって「学習の強化サイクル」は回り始め、ひいては「弱点克服」すらも可能になります。
人生の中で「自分の好きなこと」をたくさん見つけることで、人間的にも成長できます。
脳は学ぶことが大好き!!
ただし、簡単すぎる課題は脳にとっては退屈なので、適度な負荷(難易度の調節)が必要です。
筋トレのように「強い負荷」もかける
自分自身を「モニタリング」して、適切な負荷を与えられる人は、ドーパミンによる「強化回路」が回り、成長できる人と言えます。
その「適切な負荷」を作り出せる「タイムプレッシャー」を、次で見ていきます。
#2「タイムプレッシャー」で持続力
脳を喜ばせる「極意その2」は、制限時間で区切る「タイムプレッシャー」です。
たとえば読書なら、自分にとって少し難しい本を読んで「負荷」を高めることもできますが、それよりもお手軽なのは、「タイムプレッシャー」で負荷を高める方法です。
「タイムプレッシャー」で脳を鍛える
算数のドリルみたいな勉強なら、ひたすら時間の短縮を追い求めていく。
また読書15分で15ページ読めるのなら、20→25→30ページと時間内で量を増やしていく。
つまり、内容を理解しながら、スピードを上げて、脳に負荷を与えていきます。
ここでも大事なのは、自分にとって、適切な負荷を見定める「モニタリング」能力です。
モニタリング=自分の適切な難易度を知る
他人に強制されず、失敗も含めて、楽しんでやれれば、脳の持続力が高まり、やがて「集中力」も身につきます。
#3「集中力」で「フロー状態」へ
脳を喜ばせる「極意その3」は「集中力」 です。
本書では、集中力が成り立つ要素として、次の3つを挙げています。
- 速さ
- 分量
- 没入感(=フロー状態)
「速さ」は先程の「タイムプレッシャー」で鍛えていきます。
「分量」は制限時間の中で作業量を増やし、持続力を養います。
「没入感」とは、勉強と自分とをゼロにする感覚。つまり対象と自分を一体化させることです。心理学でいう「フロー状態」。
没入感=対象と自分が一体化=フロー状態
僕は当該箇所を読んでいる時に、急に「本との一体化の感覚を得る」という不思議な体験がありました。「言語情報」の流入で、感覚的な気づきを得たのかもしれません。
このフロー状態の時の感覚を覚えておくことが大切です。脳は一度経験した感覚を、もう一度体験したいという欲求を強く持つからです。そして、これが勉強に対するモチベーションにつながるのです。
『脳を活かす勉強法』-PHP研究所-茂木健一郎
そして、脳にとって「フロー状態」とは「とても心地よい状態=脳を喜ばすこと」につながります。
こともの頃、時間も忘れて一心不乱に遊んだ記憶が、まさに「フロー状態」と言えます。
「こども」の学習
最後に「こどもの学習」と「偶有性」について、子供のいる親御さんにぜひ知っていただきたく、簡潔にまとめて、終わりとします。
上で「クリアできるか、できないか」、ギリギリの難易度をクリアできた時に、ドーパミンはたくさん分泌されると書きましたが、
そうした「バランスが揺れ動くさま」を端的に表す言葉を「偶有性」と呼びます。
セキュア(secure)=予想できること
チャレンジング(challenging)=新しいこと
偶有性=両者のバランスが不確実な状態
恋愛が「不安でありながら、楽しい」のも「偶有性」のおかげです。
この「セキュア」と「チャレンジング」は、こどもの学習においても、重要な意味を持ちます。
こどもの学習においての「親の役割」は、「安全基地=セキュアベース」でいることです。
親の役割=安全基地(セキュアベース)
こどもが不安を抱えながら、新しいことにチャレンジできるのは、たとえ失敗しても、親が「安全基地」として、暖かく見守ってくれているから。
逆に役割以上の「越権行為」、つまり「過保護」や「過干渉」をしてしまうと、子供はどうなるか?
学習する機会を失い、チャレンジできないまま大人になってしまいます。
過保護&過干渉=チャレンジできない
今では克服できましたが、自分の親は過干渉タイプでした。大人になって苦労したのもあり、「親と子の関係」を読者のみなさまに考えていただきたく、あえて1章まるごと使って、全力でまとめてみました♪
本書を読み、脳の特性を知ることで、あらためて「親と子の関係」を考える一助になれば幸いです!!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は取り上げきれませんでしたが、本書では、
- 「瞬間集中法」
- 「細切れ勉強法」
- モダリティを駆使した「記憶術」
- 「読書」の脳への効果
- 「一回性」や「ミラーニューロン」の話
など、脳に関するトピックがたくさんあります。
最後は再び「ひとこと要約」で締めくくります。
自発性と難易度で脳を喜ばせ、
学びの習慣を強化。
学習に対する「脳やドーパミン」の作用が、簡潔にまとめられている良書でした♪
「あなたの成長は加速する」
おしまい!!
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