SNSやブログで文章を書いてはいるものの、いまいち効果が実感できません。誰か人の心を動かす文章のコツを教えて~!!
という「悩み」を解決するのに、ピッタリな一冊をご紹介します♪
本日は『人を操る禁断の文章術(メンタリズム)』(DaiGo著)を取り上げます。
文章術がテーマですが、正しい文章を書くための本ではありません。メンタリズムを活用して「文章で人の心を動かし、行動させること」が目的です。
- 文章で人を行動に導ける
- 「書かない3原則」の土台が身につく
- 「7つのトリガー」で欲求にアプローチ
- 「5つのテクニック」で文章を仕上げる
- 口下手こそ、文章を営業部隊に使える
『人を操る禁断の文章術』って、何だか怪しそうなタイトル・・・
一般的な文章術の本とは少しテイストは異なりますが、心理学からマーケティングの手法も取り入れており、役に立ちますよ!!
まずはこの本の「ひとこと要約」。
文章の力で想像させ、
欲求を刺激し、行動へと誘導。
それでは本編に行ってみよう!!
40代で約25キロのダイエットに成功!!
Amazonセラーを約10年間。
簿記2級+基本情報技術者。
読書を元に「脳の筋トレ」も奮闘中♪
「メンタリズム文章術」の目的
「メンタリズム文章術」って、何を目的にした本なんだろ?
本書のメインテーマはズバリ、「文章で人を行動させる」ことです。
約20年前、アメリカのとある量販店の「紙オムツ売り場」に、別の商品と共に「次のフレーズ」が提示されていました。
今しか見れない姿、残しませんか?
勘の良い人はすぐにわかったと思いますが、その商品とは「使い捨てカメラ」です。
このコピーから、自分のこどもをイメージした瞬間、日用品の「紙オムツ」と共に、買う気のなかった「使い捨てカメラ」まで、手にとってしまうという寸法です。
「買ってください」と直接書かずに、
お客様に買ってもらう。
これは『シュガーマンのマーケティング30の法則』という書籍の「一貫性の原理」を利用したセールス手法でもあります。
簡単に言うと「ついで買い」のことです。
でも、ここで重要なのは、「今しか見れない姿、残しませんか?」というフレーズが、一瞬にして「我が子」との幸せな日々を連想させたということ。
文章で想像力を刺激する
文章の持つ「ちから」で、想像力のスイッチを入れ、人の背中をポンッと押してあげる。
その結果、人を行動へと導くのが本書の目的です。
文章を読む
↓
想像力を刺激する
↓
感情(欲求)を揺さぶる
↓
行動へと誘導
まずは基礎編として、メンタリズム文章術の土台となる「書かない3原則」について、次章で見ていきましょう!!
人を操る「3原則」とは?
メンタリズム文章術の土台となる「書かない3原則」について、順に考えていきます。
- 「あれこれ書かない」
- 「きれいに書かない」
- 「自分で書かない」
#1 あれこれ「書かない」
第1の原則は「あれこれ書かない」です。
前述した「紙オムツ売り場」でのコピー、
今しか見れない姿、残しませんか?
がまさにこの原則にあてはまります。
「使い捨てカメラ」のことも、「買ってください」とも、全く言及していませんよね。
人には「情報不足を、想像で補填する」性質があります。
つまり「読み手を誘導するため」には、あえて書きすぎないことで「余白をつくる」ことが大切。
わたしは良かれと思って「情報を詰め込み過ぎ」ちゃうんですよね。情報を整理して、ポイントを押さえて発信しないと駄目ですね。反省です!!
「行動へと導く」文章を書くときに、まず意識することは、次の原則になります。
ワンメッセージ(One Message)、
ワンアウトカム(One Outcome)。
つまり、メッセージは1つ、それに対する出口(ゴール)も1つ、ということです。これにより、
読み手の「脳」の負担を減らす
ことができます。
脳に過度な負担をかけると、自由な発想を止めてしまい、想像力が働かなくなります。
そのため「書き始める前」に「スタートとゴールを明確に意識できている」ことが大事です。
さらに詳しく知りたい方は、ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』が参考になると思います!!
#2 きれいに「書かない」
第2の原則は「きれいに書かない」です。
「理路整然としただけの文章」や「表面的な、あたりさわりのない文章」は書かない、ということです。
なぜなら、
人は論理ではなく、感情で動く
からです。
文法的な正しさよりも「感覚的にどう伝えるか」が大事になります。
感情を揺さぶり、「自分ごと」として「共感」してもらえるように書くということです。
本書では「話しかけるように書くこと」を例に挙げていますが、「感情を刺激する方法」は、他にも次のような手法があります。
感情を刺激する「8つの手法」
- 話しかけるように書く
- 二人称の会話を一人称の文に再構成する
- 「」(かぎ括弧)で感情表現を演出する
- 「!、?、♪」などの感嘆符や記号を使う
- ふきだしなど「漫画的」表現を使う
- オノマトペ(ドキドキ、じ~んetc)を使う
- 先回りで疑問を解消し、共感を得る
- 「あるあるネタ」を挟む
( ゚д゚)ハッ! たくさんの手法があるんですね!!私も研究してみよっと♪
書き手としては、単語それぞれが持つ「感覚的意味合い」まで意識して、使い分けられることが目標です!!
#3 自分で「書かない」
第3の原則は「自分で書かない」です。
簡単に言うと、「読者に寄り添うように書く」ということです。
読者像(ペルソナ)を分析し、刺さる言葉を選んで文章を作成していく手法を、ダイレクトマーケティングの世界では、マインドリーティングと呼びます。
本書では、テーマに年齢をかけ合わすことで、「読者の悩みを浮き彫りにする手法」を教えてくれます。
詳しくは次章で紹介していきますので、「書かない3原則」をまとめて、この章を終わりとします。
- 「あれこれ書かない」→簡潔に
- 「きれいに書かない」→感情を込めて
- 「自分で書かない」→読み手を意識
簡潔に、感情を込めて、読み手を意識
次章では読者の欲求を刺激する「7つのトリガー」を見ていくようです。ドキドキっ!!
心を撃ち抜く「7つのトリガー」
この章で取り上げる「7つのトリガー」とは、メンタリズムを文章に応用したものになります。
人の「欲求」に狙いを定める
人の「欲求」に基づく7つのテーマを学び、魅力的なキーワードを文中に埋め込むことで、興味を持って読まれる文章にしていきます。
- 興味
- ホンネとタテマエ
- 悩み
- ソン・トク
- みんな一緒
- 認められたい
- あなただけの
7つのトリガーを「3つに厳選」して、みなさんにご紹介します!!
「本音」と「建前」
ホンネとタテマエとは、「理想と現実のあいだで揺れ動く人間心理」に焦点を当てる、心理的トリガーです。
苦しいタテマエを認めつつ、その奥に隠れたホンネに、本人も自覚しないようなパワー(欲求)が潜んでいます。
文具メーカー「PILOT(パイロット)」さんの広告に、ホンネとタテマエの狭間で揺れ動く、なんだか切なくなるような素敵なコピーがありましたので、そのうちの「3選」をご紹介します。
辛い時、泣きたい時、
書くことでラクになれる
こともあります。
(2007年)
言えないことの方が多いから、
人は書くのだと思う。
(2009年)
万年筆は、時間がかかる。
でも、その時間は、
相手を思う時間になる。
(2011年)
どうですか?
グッと来ませんか?
どれも素敵ですね・・・なんだかホッコリします♪(#^.^#)
ホンネとタテマエの狭間で揺れ動く、人の機微を見事に表現できていると思います。
人に寄り添った、心に響く言葉が、感動を生みます。
「悩み」と「帰属欲求」
メンタリストのDaiGoさんは、人の悩みの9割は4文字の頭文字からなる「HARM」で分類できると言っています。
- Health(健康・美容・ダイエット)
- Ambition(夢・将来・キャリア)
- Relation(会社関係・結婚・友人)
- Money(お金・住宅購入・年金)
このHARMに「年代」をかけ合わせる「マインドリーティング」で、人の悩みを大別していきます。たとえば「人間関係の悩み」ならこんな感じです。
- 10代→恋に恋する
- 20代→恋人
- 30代→結婚、子ども
- 40代→子どもの進路
- 50代→夫婦関係
- 60代→定年後の暮らし
年代によるグループ分けで悩みを見抜き、文章で解決策を提示していきます。
悩みを見抜かれるって、まるで「占い師」みたい!!
また広告などでは、ある商品の所有者グループへの憧れや共感をマインドリーディングし、「帰属欲求」と「年代」を利用したコピーで、人を導いていきます。
所有者になった姿を想像させる
行動に導くには想像を刺激することが重要でしたね。すでに所有者となったかのように欲求を刺激し、読み手を巻き込んでいきます。
「ソン」と「トク」
この章のラストは、人が感じる「損と得」のうち、特に「デメリット」の取り扱いを考えることで、人の欲求を満たしていきます。
行動経済学でノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマン氏らが行った実験でも、人が「損失を受けることで感じる心の痛み」は「利益の喜び」よりも大きいとされています
『人を操る禁断の文章術』-かんき出版-DaiGo
「隣の芝生は青い」の「ことわざ」でもわかりますが、人は「他人よりも損をしたくない」心理が働くようです。
そのため、デメリットを最初に提示することで、信頼を得て、警戒心を解きやすくなります。
その欠点を克服することも大事で、最後にデメリットを上回るメリットを提示して、人の心を動かします。
僕も商売をしているのでわかりますが、ワケあり品を売るときは、最初にデメリットを目立つように提示すると、逆に反応が良かったりします。
「割れせんべい」も人気ありますよね!!
「5つのテクニック」 で実践!!
最後はこれまで学んできた「想像力」や「欲求」にアプローチする方法を使いつつ、「5つのテクニック」で文章を仕上げます。
- 書き出しはポジティブに
- なんども繰り返す
- 話しかけるように書く
- 上げて、下げて、また上げる
- 追伸をつける
5つを「ステップ方式」にして、簡潔にまとめました!!
ネガティブな文章は誰も読みたくありません。初対面は、明るく、共感できるネタで、読者を惹きつけます。
重要な主張は、表現を変えて何度も繰り返す。なんと10回の繰り返しで82%も説得力が向上するんだそうです。
「きれいに書かない」でも説明しましたが、人は論理ではなく、感情で動きます。先に挙げた「8つの手法」で、感情に働きかけます。
ポジティブに書き出した文章を、途中でネガティブに落とします。最後にドラマのような急展開でハッピーエンドに終われば、人の感情は揺れ動きます。
連続ドラマの「次回予告」に相当します。未達成の課題は「ツァイガルニク効果」で人の記憶に残ります。追伸(P.S.)を効果的に活用しよう!!
「5つのテクニック」のいくつかを使い、感情に働きかけて、文章を仕上げましょう!!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
あらためて読み直してみて、想像力や欲求へのアプローチの重要性が学べ、文章に対するひとつの指針ができました!!
最後は再び「ひとこと要約」で締めくくります。
文章の力で想像させ、
欲求を刺激し、行動へと誘導。
「文章で人を行動させる」という本書の目的を意識して、文章を紡いでいきましょう!!
「あなたの成長は加速する」
おしまい!!
コメント